幸せになる勇気【要約】

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幸せになる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教えII 岸見 一郎、古賀 史健

発行:ダイヤモンド社
ページ数:296ページ

「嫌われる勇気」と「幸せになる勇気」の違い

「嫌われる勇気」は、アドラー心理学の存在を知り、
アドラーの思想を概観するための地図のような本

「幸せになる勇気」は、アドラーの思想を実践し、
幸福な人生を歩んでいくための指針となる本

第一部 悪いあの人、かわいそうなわたし

自立と尊敬の重要性

アドラー心理学では、「自立」が重要な目標とされています。
自立を目指す過程で、または他者に自立を教える際の出発点は「尊敬」です。
ここでいう尊敬とは、単なる憧れではなく、深い敬意を表すものです。

尊敬は、自分から発するものであり、それを投げかけた人にのみ返ってくるものと考えられます。
これは、壁にボールを投げる行為に似ています。
あなたがボールを投げれば、それが戻ってくることがありますが、壁に対してボールを要求しても何も起こりません。

「私の尊敬はどこから来るのだろう?」という疑問に対する答えは、「真の共感」の実践にあります。
これは他者の興味や関心に真摯に関心を寄せることから始まります。

他者の視点で物事を見る、他者の耳で聞く、他者の心で感じること。
例えば、子育てにおいては、子どもが楽しんでいることを親が一緒になって楽しむことが含まれます。
これにより、自立への道が開かれ、真の共感と尊敬が育まれるのです。

過去は存在しない

人間は自らの過去を自由に解釈し直すことができる「物語の編纂者」です。
私たちは過去の出来事を、現在の自分に都合の良い方法で捉え直すことがしばしばあります。
これにより、「いまのわたし」の行動や選択が正当化されるのです。

しかし、このように過去を解釈することは、本当に自分自身の思いに基づいているのでしょうか?
それとも単に周囲の影響に流されているだけなのでしょうか?

現在の自分がどのように過去を見るかは、実際には多くの選択肢の中から選ばれるものです。
この事実を理解することは、自己理解を深め、より自律的な人生を送るための重要なステップです。

多くの場合、人々が話す悩みは大きく二つに分けられます。
「悪いあの人についての話」と「かわいそうな自分についての話」です。
これらの話は、しばしば問題解決につながるわけではありません。

重要なのは、過去の出来事に焦点を当てるのではなく、「これから自分はどう行動するか?」という点です。
未来への行動計画を立て、前向きな変化を促すことが、本当の意味での解決につながります。

第二部 なぜ「賞罰」を否定するのか

アドラー心理学では、子どもたちの問題行動を理解するために「目的論」を用い、
その行動が持つ意図を分析します。問題行動は五つの段階に分類されます。

1. 称賛の要求 – 不適切な行動をとることで注目を引こうとする。
2. 注目喚起 – 「できない子」のレッテルを自ら受け入れ、それによって目立とうとする。
3. 権力争い – 反抗的または拒絶する行動を通じて、権力を確立しようとする。
4. 復讐 – 他人を意図的に不快にさせる行動を取る。
5. 無能の証明 – 努力を放棄し、「無能」を演じることで期待から逃れる。

特に第四段階と第五段階の問題行動は、専門家や第三者の介入が必要な状況です。
大半の問題は第三段階で発生するため、ここで適切に対処し、更なる進行を防ぐことが重要です。

この段階的なアプローチにより、問題行動に早期に気づき、効果的な対処法を見つけることが可能になります。

第三部 競争原理から協力原理へ

褒める行為はしばしば競争を生み出し、その結果、人々は他者を敵として見るようになることがあります。
このような競争を目的とした生活は、人間関係の希薄化を招く可能性があります。

対照的に、協力原理は人間の本質的な社会性に基づいています。
人間は本来不完全な存在であり、この弱さを補うために共同体を形成し、分業という形で互いを支えあうことを学んできました。
これは、アドラーが定義する「仕事」の本質であり、人間の基本的な欲求である所属感や他者への貢献に直結します。

この協力原理を生活の中で実践するためには、他者を信頼し、尊重することが不可欠です。
特に教育の現場である学校は、このような共同体感覚を育む場として重要な役割を担っています。
教育は、単に知識を伝えるだけでなく、協力と尊敬の精神を養うことにも焦点を当てるべきです。

第四部 与えよ、さらば与えられん

交友関係において、条件を付けずに相手を信じる「信頼」の姿勢が推奨されます。
これは、単に相手を信用するのではなく、深い意味での信頼を意味します。
そして、他者から信頼されたい場合は、まずは自分から信じることが大切です。

「他人を信じるのは怖い」と感じる人も多いかもしれません。
そのように感じる場合、自分自身さえも本当に信じていない可能性があります。
自分を信じることができなければ、他人を信じることも難しいでしょう。

人間関係は、完全な理解が難しいために信頼が不可欠です。
まずは目の前の人に信頼を示すことから始めてみましょう。
このプロセスは受動的ではなく、能動的であるべきです。

他者から何かをもらおうとするのではなく、自分から積極的に与えることを心がけることが重要です。
アドラー心理学は、このような信頼関係の構築を提唱しています。

第五部 愛する人生を選べ

「愛」とは単に「わたし」や「あなた」の幸福を求めるのではなく、
共に「わたしたちの幸せ」を創造する決意です。
これは、何もない状態から共同で幸せを築き上げるという意志の表れです。

これを単なる自己中心性からの脱却と定義しています。
愛に真摯に向き合い、人生の焦点を「わたし」から「わたしたち」へとシフトさせることが、
真の自立への道だと説いています。この変化を遂げることが、真の幸福へと繋がるとされています。

しかし、日常生活の中でこのような決意を維持するのは容易ではありません。
愛を恐れず、日々の挑戦に立ち向かう勇気が必要です。
これこそが、「幸せになる勇気」です。

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